iF デザイン財団
デザイン教育を再考する
2018年に設立された非営利組織iFデザイン財団は、iFインターナショナル・フォーラム・デザイン有限責任会社およびその子会社の唯一の株主です。財団の目的は、経済的な制約にとらわれることなく、デザインとその社会的な意義を広く促進することにあります。iFデザイン財団は公共の利益に貢献することを使命とし、デザインに関連する科学的研究や教育の分野に対して、資源や専門知識を提供しています。本財団は、1953年から2018年まで活動していた「iF Industrie Forum Design e.V.」の後継組織です。
ミッション
iFデザイン財団のミッションは、学術研究や教育、文化振興、社会参加、環境意識の向上、そして持続可能性の推進を支援することです。財団は、選定されたデザインプロジェクトに対して財政的支援を行うほか、自主的なプロジェクトやカンファレンスの企画・開催も行っています。
また、他のデザイン財団や非営利団体と協力し、リソースを共有しながら共同プロジェクトの開発・実現にも取り組んでいます。
こうした活動の成果は、定期的に文章化され、公表されます。
活動分野
研究内容
デザイン分野の学術研究
教育や支援
教育・職業訓練、学生やクリエイターへの支援を展開
芸術と文化
プロジェクト、展覧会、イベント
自然風景
社会的進歩、資源の効率的利用
プロジェクトについて
経済や社会の変化に対応するために、デザイン教育はどのように進化していくべきなのでしょうか。こうした疑問を出発点に、iFデザイン財団は世界のデザイン教育の現状について調査を行いました。
この取り組みは、2016年に実施されたデザイン教育の未来に関する初期調査を基盤とし、その後、ドイツ・グムント・アム・テーゲルンゼー、アメリカ・カリフォルニア州パサデナ、日本・京都、南アフリカ・ヨハネスブルグにて、産業界、各分野の大学、NGOの専門家へのヒアリングを実施しました。調査と会議の結果は、『Designing Design Education(デザイン教育のデザイン)』と題された白書(2021年2月発行)に掲載されています。
iFデザイン財団 理事会
Christoph Böninger
iFデザイン財団 会長
René Spitz
iFデザイン財団 副会長
Annette Diefenthaler
iFデザイン財団 理事会メンバー
Karenina Schröder
iFデザイン財団 理事
パトロン
限られた企業様のみが、iFデザインファウンデーションのパトロンとして活動することができます。パトロン企業とは、将来の取り組みに関して、定期的かつ真摯な対話を重ねていくことが保証されています。また、パトロンの皆様からの年間寄付金は、ファウンデーションの影響力を維持・拡大していくための重要な支えとなっています。
これまでの経緯
1953:iF e.V.設立
イギリス占領軍がハノーファーを見本市の開催地に選定してから6年後、その見本市を補完するかたちで、ドイツにおける「工業製品のフォーマル・デザイン」の育成・支援を目的とする機関が設立されました。
ハノーファー・メッセゲゼルシャフトの設立は、ドイツ産業連盟(BDI)でも重要な役割を果たしていた先見の明を持つ実業家、Philip Rosenthal氏のアイデアに触発されたものでした。彼は、文化とビジネスの世界を結びつけることに情熱を注いでおり、そのコンセプトは新たな機関の設立にも反映されました。
Rosenthal氏は、ハノーファー・メッセゲゼルシャフトおよびドイツ産業連盟とともに、このユニークな機関の創設に尽力しました。
その目的は、高品質なデザインは成功の重要な要素である」という考えを、業界のリーダーだけでなく一般の人々にも広く浸透させることにありました。加えて、哲学や戦略的意思決定、製品開発にデザインを取り入れる企業こそが、持続可能な成功を収められるという見解を広めることも目指していました。
さらに、iF e.V.は、デザインに関する議論や交流の促進、そして世界的なデザイン・ネットワークの継続的な拡大と維持にも力を注いでいます。
1953年~2018年:iF Industrie Forum Design e.V.
iF Industrie Forum Design e.V.(略称:iF e.V.)は、世界で最も歴史ある独立系デザイン機関のひとつです。1953年の設立は、見本市の主要開催地としてのハノーファーの地位と密接に関わっていました。設立の目的は、毎年開催される産業見本市のパートナー機関として、ドイツにおける工業製品のフォーマル・デザインの育成と支援を行うことでした。
iF e.V.は、文化界とビジネス界の架け橋となるべく創設されました。この理念のもと、60年以上にわたり、iF e.V.とその会員たちは情熱を持って取り組み、大きな成果を上げてきました。
Wilhelm Wagenfeld
Wilhelm Wagenfeld氏は、iF Industrie Forum Design e.V. の設立に際し、この若い組織を支援し、「デザイナーの思考と経験」についての素晴らしい開会の辞を寄稿しました。
Wilhelm Wagenfeld氏による開会の辞「デザイナーの思考と経験」をダウンロードいただけます
2001年:iF International Forum Design GmbH
2001年、iF国際フォーラムデザイン社が、iFデザインアワードの主催・運営を含む事業を統括することになり、iF e.V.はデザインとビジネスの仲介役としての役割をより重視するようになりました。